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理化学ガラスの正しい洗浄方法

2022年11月08日
洗浄方法について
特にガラス体積計の洗浄は、誤解している方も多く、意外と間違えている場合もあります。
まず基本ですが、使用した器具は乾燥させないことがポイントです。
面倒でも直ちに水や洗剤、試料によっては溶剤などに漬け置きします。
特にタンパク質系、油脂系は乾いてしまうと厄介です。
洗剤は中性、頑固な汚れは酸性がおすすめ!
タンパク質や植物系油脂の洗浄であれば濃硫酸だけの漬け置きでも効果が得られます。
濃硫酸は複数回の使いまわしが可能です!そのため洗浄用の濃硫酸を準備しておくと便利です。
 
アルカリ洗剤の注意点
一般的にアルカリでpH8以上、温度45℃以上の場合ガラスの浸食速度が大きくなります。

浸食されたガラスは全体的に白く濁り、白斑も生じ、体積計の精度低下や破損につながってしまいます。
またアルカリ洗剤で漬け置きをした場合、共栓などすり合わせ部分の劣化が促進されてしまいます。
そのため気密が取れず、液漏れの原因となります。
洗浄効力の高いアルカリ洗剤ですが、汚れの性質や程度を見極めて使用することが大切です!
長く漬け置きするとよい、ということではありません。
無駄な漬け置きに注意してください。

アルカリにおける白濁及び
超音波洗浄で生じた白斑現象

シバタクリーンA(エース)をおすすめします!
柴田科学ではガラスはもちろんのこと、各種金属素材の実験器具の他、半導体関連など、多方面の洗浄にお使いいただける中性・無リンの洗剤、シバタクリーンA(エース)を取扱っています!
無機・有機、グリス、タンパク質、血液、放射性物質等の汚れに対応した界面活性剤を主成分としています。
使用方法
本品を2~10%に希釈し、洗浄対象物を数時間漬け置きしてください。
汚れが極端な場合は1日漬け置きし、その後水洗いをしてください。
汚れ程度と洗剤希釈倍率及び濃度
汚れ程度 希釈倍率 濃度
普通の汚れ 50倍 2%
ひどい汚れ 20倍 5%
極端な汚れ 10倍 10%
特徴
  • 非PRTRのため、排水汚染の心配はありません。
  • 廃液は活性汚泥により短期間に分解できます。
  • 腐食性及び皮膚や衣類への影響もなく、取り扱いが容易です。
  • 不燃性のため、ガス発生の心配もありません。
  • すすぎ効果、消泡性および低温における洗浄効果も優れています。
  • 汚れに応じて希釈でき、また繰り返し使用可能なため、大変経済的です。
シバタクリーンはどれほどの効果があるのか、実験してみました!
洗浄力テスト

ガラス面にマジックインキ赤、青、黒を3回塗り、24時間放置後5%(20倍希釈)水溶液に漬け置きしました。

1時間後 2時間後 3時間後
溶け始める 剥離しないがこすると落ちる 剥離
溶け始める 剥離しないがこすると落ちる 剥離
剥離

数時間の漬け置きでかなり汚れが落ちることが分かりました!

詳しくは製品情報をご覧ください。

品目コード 含有物 pH値 容器 内容量kg
050810-700 有機酸、非イオン界面活性剤、
植物油、アルコール類、純水
6.5~8.5 ポリエチレン 2
050810-800 20

※2kgタイプは約2.04L、20kgタイプは約20.4L入になります。

サンプルご希望の場合はお問い合わせください。

以上のように洗浄方法一つでガラスの耐久性が異なってきます。
ガラス器具の安全な使用方法のひとつとして参考にしていただければと思います!