ニュース

職場における化学物質管理のあり方

2022年06月30日
新たな化学物質規制がはじまります!
2022(令和4)年5月31日、厚生労働省より化学物質による労働災害防止のための新たな規制に関する「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」が公布されました。労働災害の原因となる化学物質の多くは規則対象外の物質であり、これらの化学物質について今後事業者がリスクアセスメントの結果に基づき、ばく露防止のための措置を適切に実施するよう規定した内容となります。改正の内容の中から、今回は作業環境測定に関連する改正内容等について解説します。

出典元:化学物質による労働災害防止のための新たな規制について~「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令」の公布~
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_25984.html
【別添1】概要資料:https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/000945523.pdf

●化学物質管理の水準が一定以上の事業場の個別規制の適用除外 2023(R5).4.1施行
化学物質管理の水準が一定以上であると所轄都道府県労働局長が認定した事業場については、当該認定に係る特別規則(※1)について個別規制の適用を除外し、当該特別規則の適用物質に係る管理を、事業者による自律的な管理(リスクアセスメントに基づく管理)に委ねることができるようになります。

(※1)所轄都道府県労働局長の認定は、事業者からの申請に基づき、特化則、有機則、鉛則又は粉じん則の各省令ごとに別々に行い、当該認定に係る省令についての個別規制について適用除外とする。
(※2)化学物質管理専門家の要件は、厚生労働大臣告示で示すことを予定
●作業環境測定結果が第三管理区分の事業場への措置強化 2024(R6).4.1施行
(1)作業環境測定の評価結果が第三管理区分に区分された場合の義務
①改善方策について、外部の作業環境管理専門家(※)の意見を聴く必要があります。
②当該場所の改善が可能な場合、必要な改善措置を講じ、当該改善措置の効果を確認するための濃度測定を行い、結果を評価します。
(2)改善困難と判断になった場合、及び測定評価の結果第三管理区分を改善できなかった場合の義務
①個人サンプリング法等による化学物質の濃度測定を行い、その結果に応じて労働者に有効な呼吸用保護具を使用させます。
②①の呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認します。
③保護具着用管理責任者を選任し、(2)及び(3)の管理、作業主任者等の職務に対する指導等を担当させます。
④(1)の作業環境管理専門家の意見の概要、措置及び評価の結果を労働者に周知します。
(3)(2)の場所の評価結果が改善するまでの間の義務
①6月以内ごと(鉛の場合は1年以内ごと)に1回、定期に、個人サンプリング法等による化学物質の濃度測定を行い、その結果に応じて労働者に有効な呼吸用保護具を使用させます。
②1年以内ごとに1回、呼吸用保護具が適切に装着されていることを確認します。
(今後厚生労働大臣告示などで定められる予定)
●有効な呼吸用保護具の選択方法と装着の確認方法
呼吸用保護具は要求防護係数(※)を上回る指定防護係数を有するものを選択しなければなりません。防護係数は下の式により計算するものとされます。

※指定防護計数とは呼吸用保護具の種類に応じて定められている防護性能を示す値を指します。
呼吸用保護具の装着の確認方法は日本産業規格T8150に定める方法、またはこれと同等の方法により被験者の顔面と保護具の面体との密着の程度(フィットファクタ)を求め、要求フィットファクタ以上であることを確認する方法となる予定です。

マスクフィッティングテスター
MT-05U型(JIS T 8150準拠)

防じんマスク等の顔面への定量的なフィットテスト、フィットチェックが可能です。
・東京都トライアル発注制度認定品(認定番号R207号)
・労働科学研究所検定品
●個人サンプリング法等による濃度測定方法
デザインサンプリングは個人サンプリング法について登録を受けた作業環境測定士に実施させることとなる見通しです。濃度の測定方法、および分析方法は、作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号)を準用します。測定は原則として個人サンプリング法によります。
PM4個人サンプラーセット
作業環境測定における個人サンプリング機器として、粉じんやマンガン溶接ヒュームの個人ばく露濃度測定のためのサンプラーとして使用できます。付属のホルダー NWPS-254型は作業環境測定基準第2条第2項の規定要件に該当する分粒装置です。