AV試験紙(油脂酸価試験紙) FAQ
測定原理を教えてください。
油脂が加熱劣化した際にできる遊離脂肪酸の中和反応を試験紙で見ています。
測定範囲を教えてください。
色見本による《1.5 2.5 3.5》の3段階です。
何℃の油まで測定できますか?
植物油ではおおむね常温~180℃において、発色に影響がないことを確認しています。しかし、常温で固形の油脂(ラード、パーム等)は発色に影響が出ることがあるので、常温~150℃で測定してください。また、常温以下ですと、数値が低めに出ます。
測定精度はどれくらいですか?
AV試験紙は1.5~3.5の酸価(AV)を3段階の色見本で判定する簡易チェッカーですので、測定精度の明確な数値化はできません。半定量半定性のスクリーニング用簡易チェッカーとお考えください。
どのように使うのですか?
試験紙の試験部分を油に浸し、1分間後に標準カラーチャートと比較しAV(酸価)を判定します。油の量が少ないと発色がうまくでないことがあります。
操作法通り、スプーンのふちで余分な油を軽く除く程度で大丈夫です。
どのような油で測定できますか?
液状であれば基本的には測定可能です。例:サラダ油、大豆油、パーム油、キャノーラ油、ショートニング
油の種類によっては色別のしやすさや、水分・妨害物質等の影響が出る場合があります。
また、米油、コーン油は数値が異なります。公定法でAV3以下のものは高めに、AV5以上のものは低めに出る傾向がありますのでご注意ください。
阻害物質や測定が困難なサンプルを教えてください。
阻害物質として測定が困難なサンプルは以下のとおりです。
・粘性の高い油脂(試験紙に油脂が十分浸透しないため)
・室温で固形化した油脂
・乳化剤が含まれた油脂
・着色している油脂(発色に影響を与えるため)
有効期限を教えてください。
製造後6ヵ月です。
アルミ袋開封後は有効期限の保証はされません。開封後はお早めにお使いください。
加熱油の劣化はAV試験紙で測れますか?
加熱油の劣化はAV、油保管時の自然劣化はPOVが適しています。
カラーチャート「1.5」の緑色よりも青みがかった緑色に発色したのですが、なぜですか?
1.5よりも低い値の場合、そのような発色になります。
油をつけたら、ピンク色になったのですが、なぜですか?
発色剤にメチルレッドが使われており、pHが極端に酸性に傾いているとピンク色に発色する可能性があります(メチルレッドはpH4.4より低いと赤色に発色します)。
酸価値が極端に上昇しているか、ドレッシングなどのように酢酸などの酸性のものが悪さをしている場合もありますので、検体の油をご確認ください。