よくあるご質問

低温循環水槽(チラー)について

  • Question

    低温循環水槽とは何ですか?

  • 低温循環水槽(冷却水循環装置ともいいます。)とは、本体で冷やした冷却水(10℃以下で使用する際はエチレングリコール等の不凍液を使用)を、外部へ安定して供給、循環させる装置です。
    各種蒸留、濃縮装置や分析装置等へ冷却水を供給する用途に用いられます。弊社の低温循環水槽の外観仕様(例としてC-307型を掲載)は、以下の通りです。

    C-307_1 ① 冷却コイル
    ② 循環ノズル(OUT)
    ③ 循環ノズル(IN)
    ④ 冷却水槽フタ
    ⑤ コントロールパネル
    ⑥ 排気口
    ⑦ 吸気口
    ⑧ 電源コード
    ⑨ 漏電ブレーカー
    ⑩ キャップ
    ⑪ ブライン排水ホース
  • Question

    「冷却能力」とは何ですか?

  • 水温設定が同じ20℃でも、室温が高い方が装置の冷却能力は小さくなります。これは水槽部分や冷凍サイクル内に周囲の熱が侵入し、冷却に要するエネルギーが奪われるためです。
    例えばクールマンC-580型の設定温度を“-10℃”とした時、室温が20℃の時は600Wの冷却能力がありますが、室温35℃の環境だと能力は約350Wまで下がります(下図参照)。低温循環水槽は夏場などの一番暑い時期を想定して選定した方が安全です。
    ロータリーエバポレーター(ラボ用1Lクラス)の冷却に用いる場合、できれば1台当り300W程度必要です。

    coolman_graph

     

  • Question

    「外部循環方式」の「密閉循環方式」とはどういう意味ですか?

  • 水吐出口から戻り口まで密閉された管でつながれていないと、冷媒を循環できないことを意味しています。

  • Question

    「最大揚程」とは何ですか?

  • 揚程とは、ポンプの運転によって生じる圧力を水の高さ[m]で示したものです。最大揚程は、吐出口を完全に密閉した状態(=流量0L/min)で生じる圧力を水の高さ[m]で示したものです 。

  • Question

    「最大流量」とは何ですか?

  • 01
     

    流量は揚程によって変わります。揚程が大きくなると流量は小さくなり、最大揚程の時に流量は0になります。【右図】実際の使用時の流量はゼロと最大流量の中間となります。
    無負荷時とは、吐出口に何も配管しない状態です。ロータリーエバポレーター等を配管した場合、負荷によって流量は低下します。

  • Question

    「温度調節方式」、「冷凍機ON/OFF幅」などの項目がありますが、その仕様表の意味合いは何ですか?

  • 設定温度に対して水温が0.5℃上がると冷凍機オン、逆に0.5℃下がると冷凍機オフとなり、温度調節をおこないます(この場合、ON/OFF幅としては1℃)。ただし冷凍機がオフ(オン)になった後すぐに水温が上がって(下がって)も一定時間が経過するまで再びオン(オフ)にはなりません。【下図】 冷凍機には頻繁にオン/オフを繰り返すと故障の原因となるため、一定時間オン(またはオフ)の状態を維持させる冷凍機保護タイマーを組み込んでいます。

    ※C-330の場合、オン/オフどちらも1分です(変更はできません)。

    colman

     

  • Question

    低温循環水槽“クールマン”、“クールマンパル”に使用しているフロンの回収サービスは行っていますか?

  • フロン回収サービスは行っています。

    確認はこちら

  • Question

    フロン排出抑制法に伴う低温循環水槽“クールマン”“クールマンパル”の簡易点検方法を教えてください。

  • 当社クールマンシリーズの圧縮機電動機定格出力は全て7.5kW未満ですので、3ヶ月に1回以上の簡易点検を実施いただくことになります。

    →簡易点検方法の確認はこちら

  • Question

    法令冷凍トン(法定冷凍トン)とは?

  • 高圧ガス保安法により定められた冷凍機の大きさを表す単位であり、冷凍能力ベースでなく、圧縮機の大きさにより算出することとなっています。 クールマンは次の式で計算します→R=V/C R=1日の冷凍能力(法定冷凍トン) V=圧縮機の標準回転速度における1時間当りの   ピストン押除け量(m3/h) C=冷媒ガスの種類に応じた算出定数

    • Question

      低温循環水槽(チラー)の選定方法を教えてください。

    • 最適な機種を選定するにあたっては、各機種の冷却能力が重要な要素になっています。
      算出方法は、使用条件を計算式にあてはめて熱容量を求めることになります。

      ■計算式
      熱容量(必要W)=(t2-t1)×容量×比重×比熱/冷却時間×1.5(安全率)×1.16(W換算係数)
      *安全率はあくまでも一例ですので、お客様の方で決めてください。

      ■使用条件(例)
      ●冷却をしていない時のジャケット部分の水温は25℃…(t1)
      ●1時間で90℃まで上昇する…(t2)
      ●水の容量は全体で6L
      上記の場合は1時間で25℃から90℃まで、65℃の温度上昇ですので熱容量以上の冷却能力(W)を与えれば、発熱を抑えられることになります。(水の比重ならびに比熱は1です)
      よって下の計算式から必要なWを求めます。

      熱容量=(90-25)×6×1×1/1×1.5×1.16=678.6W
      例えば、使用する水温を-5℃とした時、下の表からC-580/585を選定すれば良いことになります。

      ■冷却能力

      型式 周囲温度/水温 -40℃ -30℃ -20℃ -10℃ -5℃ 0℃ +5℃ +10℃ +20℃
      C-307 20.0℃   100W 175W 210W 250W 310W
      C-332 20.0℃ 120W 370W 450W 520W 600W 650W 750W
      C-580 20.0℃ 200W 580W 760W 950W 1080W 1200W 1400W
      C-585 20.0℃ 200W 580W 760W 950W 1080W 1200W 1400W
      C-588 20.0℃ 220W 350W 450W
      C-780 20.0℃ 680W 1300W 1600W 1900W 2200W 2500W 3100W


      ■参考(プラグインの凍結点)

      エタノール濃度(C2H5OH) 凍結点
      (重量)% (容量)% (℃)
      11.3 14.0 -5.0
      20.3 24.8 -10.6
      24.2 29.5 -14.0
      30.5 36.4 -20.0
      34.6 41.5 -25.0
      37.8 45.5 -30.0

       

      エチレングリコール濃度(C2H6O2 凍結点
      (重量)% (℃)
      12.2 -5.0
      19.8 -10.0
      27.4 -15.0
      35.0 -21.0
      38.8 -26.0
      42.6 -29.0

      ※低温域になると循環液の粘度が上がり、循環液量が少なくなる可能性があります。循環液が少ない場合、冷却水槽内コイル部分で十分な熱交換が行われませんので、仕様通りの性能が発揮されない場合があります。