前処理

前処理とは、サンプルの原材料や使用する試薬の最適化、下準備など、様々な意味合いを含みます。ここでは乾燥、ろ過や蒸留といった基本操作としての前処理を中心にご紹介します。

減圧加熱乾燥

ベルジャー式

水分を無くすことで反応効率が上がる場合があります。そのようなサンプルの前処理として減圧加熱乾燥が行われます。BV-001型は減圧下で~200℃まで加熱可能で、ベルジャー(ガラスカバー)内に入りさえすれば、容器の大きさは選びません。

少量サンプルタイプ

水分を無くすことで反応効率が上がる場合があります。そのようなサンプルの前処理として減圧加熱乾燥が行われます。GTO-200型は小容量物質の乾燥等に有効です。サンプルが入っているガラス部を、減圧状態のままグローブボックス内へ運ぶことも可能です。近年では、燃料電池やリチウムイオン電池分野の研究開発における電極の乾燥等に利用されることも多いです。

吸引ろ過

吸引ろ過器

ろ過対象の粒径に応じたメンブレンフィルターでろ過を行い、不純物や結晶物を取り出します。自然落下タイプもありますが時間がかかる場合が多く、真空ポンプを使って強制吸引すると効率良く行えます。 吸引ろ過器は「フィルター径違い」「安価タイプ」「構造が異なる吸引鐘」等、種類を豊富に用意していますので、ご希望に応じてお問い合わせください。

真空ポンプ

コンパクトな真空ポンプで、ポンプヘッド内とダイヤフラムはPTFEコートされています。圧力表示器付で、吸引圧の調整も可能です。

減圧蒸留

少量サンプル蒸留

物質(多くは液体)を減圧蒸留し純度を上げると反応効率が上がる場合があります。そのようなサンプルの前処理として蒸留が行われます。減圧状態にすることで沸点を下げ、熱によるサンプルへの影響を低減しつつ、効率の良い蒸留が可能です。
ガラスチューブオーブン(クーゲルロール)は試料球が小さく、減圧下で回転させながらショートパスで蒸留できるのでロスが少なく、10ml程度の微量な蒸留・濃縮作業に適しています。

フラスコサイズ蒸留

物質(多くは液体)を減圧蒸留することで純度を上げると反応効率が上がる場合があります。そのようなサンプルの前処理として蒸留が行われます。減圧状態にすることで沸点を下げ、熱によるサンプルへの影響を低減しつつ効率の良い蒸留が可能です。
ロータリーエパポレーターは減圧下で蒸留工程が行える、回転式減圧蒸留器です。フラスコサイズの蒸留・濃縮に適しています。冷却器と回収フラスコには、安全性を考慮した飛散防止コーティングが施されているP+Gタイプを推奨します。