残留塩素測定器DPD法
DPD法の測定器
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残留塩素測定器DPD法 | ハンディ水質計“アクアブ” AQ-201型 有効塩素濃度測定キット AQ-201P型 |
遊離残留塩素、残留塩素・・DPD法 |
DPD法FAQ
どこで購入できますか?
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お取り引きのある理化学機器、機材、工具等の販売店やネットショップからご購入ください。
⇒ 販売店一覧 https://www.sibata.co.jp/shop/link/
お取り引き先がない場合は、弊社営業所へお問い合わせください。
残留塩素とは?
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水中に存在している遊離残留塩素と結合残留塩素のことをいいます。飲料水等を塩素消毒した後に残る消毒有効塩素成分で、主に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、クロラミンを指します。塩素イオンは残留塩素とは言いません。
遊離残留塩素とは?
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遊離残留塩素は、即効性があって消毒効果が強いという特徴があります。主に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンを指します。消毒効果が高いので、水の検査ではまず遊離残留塩素濃度を測ります。SIBATAの残留塩素測定器DPD法では、測定器の角形試験管に10mLの水とDPD試薬1袋で測定ができます。
結合残留塩素とは?
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結合残留塩素は遊離残留塩素より消毒能力は弱いですが、時間をかけてその効果が有効に得られるといわれています。遊離残留塩素が水中のアミン類と結合したもの(クロラミン)を結合残留塩素と呼びます。結合残留塩素はスーパーサブ的な存在で、水の検査ではまず遊離の濃度を測り、遊離が無い時に初めて結合残留塩素も測って状況判断する場合が多いです。
SIBATAの残留塩素測定器DPD法では、遊離残留塩素濃度を測定した後に別途ヨウ化カリウム試薬を入れて約2分で測定できます。
遊離残留塩素と残留塩素は同じもの?
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イコールではないとした方が整理はし易いでしょう。残留塩素の概念に遊離残留塩素が含まれています。ただし遊離残留塩素は残留塩素の中で中心的な物質ですので、遊離残留塩素のことを残留塩素と言っている場合が多いです。残留塩素には遊離残留塩素と結合残留塩素があってその二つを合わせたものを総残留塩素と呼びますが、どれも残留塩素と言えます。
残留塩素の測定のDPD(N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン)法とは?
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水の残留塩素濃度の測定法で、経験や専門知識がなくても測定器をつかって濃度測定をすることができます。飲料水全般、プール水、河川水環境調査、排水検査、工程管理、電解水検査、殺菌用洗浄水検査、養魚管理、メッキ工場などの排水管理などに使用されています。残留塩素を含む水にDPD試薬を加えると、残留塩素の量に応じて淡赤紫色~赤紫色に発色する反応に基づくものです。
遊離残留塩素と結合残留塩素の区別が明確につくことが特徴です。
使用する試薬は、遊離残留塩素の測定ではDPD指示薬と緩衝液の2種類、結合残留塩素を測定する場合はさらにヨウ化カリウムを使用します。
当社の場合、DPD指示薬と緩衝液を混合した1種類の試薬で遊離残留塩素の測定が可能です。
残留塩素濃度の基準値は?
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水道水中の残留塩素濃度は「給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持すること」と定められています(水道法施行規則)。
各地域の水道局から供給されたばかりのきれいな水道水の場合、ほとんど遊離残留塩素の状態で存在しますが、水道配管の老朽化などで汚れが混入すると結合残留塩素に変化します。
したがいまして、まずは遊離残留塩素濃度を測定し、その結果が0.1mg/L以上であれば問題ありませんが、0.1mg/L未満の場合は結合残留塩素濃度を確認する必要があります。結合残留塩素を直接測定することはできないため、総残留塩素と遊離残留塩素の測定結果から下記のように計算して求めます。結合残留塩素=総残留塩素-遊離残留塩素
水道水を測定したが発色しない。なぜか?
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残留塩素は非常に敏感です。水道配管内の滞留水や少し汚れた容器に汲んだ水には、遊離残塩が残っていない場合があります。測定操作手順としては、蛇口からしばらく水を出して、容器を2~3回ゆすいでから測定に入り、正式な採水後すぐに測定するのが良い手順です。手順が正常でも発色しない場合は、遊離残留塩素が無い可能性が高いので、結合残留塩素も測定して、結果を評価します。
試薬の使用期限が切れていたり、水道栓に浄水器が付いている場合も正常な発色が損なわれますのでご注意ください。
OT法と比較して結果が低いのですが?
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1. OT法は、結合残留塩素と反応し、高く出る可能性があります
OT法の場合、試薬を加えると、ただちに遊離残留塩素と反応し、それに遅れつつ並行して結合残留塩素とも反応します。
一方DPD法の場合、遊離残留塩素に反応し、結合残留塩素を測定する場合は、さらにヨウ化カリウムを加えるため、遊離残留塩素と結合残留塩素をはっきり区別することができます。
そのためOT法は遊離残留塩素と結合残留塩素の重なり具合から、DPD法と比べると高く表示されることがあります。2. 妨害物質の可能性があります(水道以外の場合、特に浴場・温泉等)
水道水の場合は問題になりませんが、温泉水や井戸水等の場合、含まれる物質によっては、反応を妨害する場合があります
DPD試薬を加えてもすぐに発色せず、数分経過すると発色することがあります。
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数分経過以降の発色は遊離残留塩素濃度とは無関係と考えてください。
DPD法の場合、試薬投入してすぐに発色します。
残留塩素を含まない場合でも、放っておくと徐々に色が出てくることがありますが、 試薬投入直後の値が正しい結果です。
遊離残留塩素濃度の測定の場合は、測定を1分以内に終えてください。
試験管が着色してしまった。どうしたらいいか。
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赤色着色はDPD試薬の残渣着色です。一度付いてしまうと取るのは厳しいです。角形試験管の洗浄は中性洗剤か水洗いで行いますが、その洗浄で着色が取れなければ角形試験管を新規購入していただくことになります。使い終わったらしっかりゆすいで着色させないことが測定器管理の最良の方法です。
DPD試薬は残留塩素だけに反応するのですか?
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DPDの発色原理は単純な酸化反応なので、酸化力のある物質とは残留塩素でなくても反応をします。
ただ、発色特性として、遊離残塩並みに酸化力が強いと瞬間的に発色して、酸化力がそれより弱くなればなるほど、発色し出すのに時間が掛かります。
水の中には必ず溶存酸素が溶け込んでいますが、溶存酸素も弱いながら酸化力をもっていますので、時間が掛かりますがDPD試薬と反応します。
上水で妨害物質になりやすいのは、残留塩素と同じ水の殺菌目的で用いられるオゾンや二酸化塩素です。どちらも遊離残塩と同等レベルの酸化力がありますので、遊離残塩と同じタイミングで瞬時に発色します。
残留塩素の測定は、取扱説明書通りの測定時間を守ることが重要で、なおかつ、残留塩素を含んでいない水に強い酸化力がある物質が存在していればその水に残留塩素が無くても反応することを意識して運用していただければと思います。