鉱物性粉じん(公定法)

鉱物性粉じんの測定は「分粒装置を用いたろ過捕集法」と「天秤を用いた質量濃度測定法」で実施することが基本になりますが、
現場での作業性を考慮して簡易測定器(デジタル粉じん計)を併用したA測定・B測定・併行測定で運用されます。
また、管理濃度を定めるための粉じん検体捕集・分析(遊離けい酸含有率の測定)も実施します。
柴田科学では鉱物性粉じんの測定・捕集機器から管理濃度算定のための分析の前処理機材まで幅広くご用意しています。

現場でのA測定・B測定・併行測定

鉱物性粉じんの測定現場では、PM4分粒装置付エアサンプラーとデジタル粉じん計が使われます。
※デジタル粉じん計についてはHPSL048鉱物性粉じん(簡易法)をご参考ください。

質量濃度測定方法

使用するエアサンプラーの種類によって秤量するフィルター直径や吸引流量が変わりますが、ここではPM4サンプラー 354 を例にします。

鉱物性粉じんの捕集と分析 ~質量濃度測定法~

捕集と重量分析までのフロー

2時間以上天秤室で静置

φ35mmPTFEバインダーフィルター TF98R型

1回目秤量
2時間以上天秤室で放置
2回目秤量

1回目秤量と同じ値になることを確認

フィルターサンプリング

分粒装置NW-354型 吸引流量20L/min

2時間以上天秤室で放置

サンプリングしたφ35 mmTF98Rフィルター

1回目秤量
2時間以上天秤室で放置
2回目秤量

1回目秤量と同じ値になることを確認

※作業環境ガイドブック参考(一般社団法人日本作業環境測定協会発行)

機材対照番号品名・型式
1φ35mmPTFEバインダーフィルター TF98R型
2PM4サンプラーセット 354 流量指示計付
3バッテリーユニット BU-24L型 (LV-40BW型用)
4バッテリーチャージャー BC-100B型 (LV-40BW型用)

遊離けい酸分析法(堆積粉じん再発じん法併用によるX線回折分析法)

堆積粉じんを試料とした遊離けい酸分析法には、りん酸法による定量操作とX線回折法による定量操作の2種類がありますが、ここではX線回折法による定量操作をご紹介します。

鉱物性粉じんの捕集と分析 ~石英含有率の分析~

定性、定量分析までのフロー

堆積粉じんのサンプリング

紙コップ等で採取

フルイ通し

200メッシュまたは目開き75μmのフルイ

乾燥させた堆積粉じんを灰化

700℃、1時間

約500ml精製水入り1Lビーカーに
約5gの試料を加える
懸濁液の攪拌

超音波洗浄機で充分に攪拌

液相沈降

所定時間放置(分粒サイズ、水温等から沈降時間を算出)

上澄み液の採取

シリンダーのコックをひねり排水させて採取

吸引ろ過

メンブレンフィルター、ポアサイズ0.8μm

乾燥

乾燥機にてサンプルがフィルターからはがれるまで

再発じん・サンプリング

試料を約1g入れて再発じん
NW-354型とベース部φ25(異径アダプター)でφ25フィルター捕集
フィルター上に単位面積当たり約1mg採取
同様の操作を3回行いX線回折用
試料をつ作成 標準試料も同様の操作を行う

X線回折装置による定性分析
X線回折装置による定量分析

石英のみ、もしくは石英&トリジマイト等の存在が認められた場合に定量操作を実施

※作業環境ガイドブック参考(一般社団法人日本作業環境測定協会発行)

遊離けい酸分析法(空気中の粉じんの遊離けい酸定量法)

空気中の粉じんを直接試料として使用して遊離けい酸分析を行う場合は、PM4特性でフィルター捕集した粉じんをX線回折法で求めます。
ここではその方法をご紹介します。

定性、定量分析までのフロー

フィルターサンプリング

分粒装置NW-354型 吸引流量20L/min

X線回折装置による定性・定量分析

※作業環境ガイドブック参考(一般社団法人日本作業環境測定協会発行)

機材対照番号品名・型式
1PM4サンプラーセット 354 流量指示計付
2ベース部φ25 NW-354型用
3φ25mmPTFEバインダーフィルター TF98R型
4バッテリーユニット BU-24L型 (LV-40BW型用)
5バッテリーチャージャー BC-100B型 (LV-40BW型用)