当社ではこのところ新型コロナウイルスの消毒に使用できる塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム溶液)の濃度確認方法についてのお問い合わせが増えています。
そこで、塩素系漂白剤と、塩素系漂白剤の濃度確認が可能な測定器についてご案内いたします。
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)について
厚生労働省、経済産業省、消費者庁は新型コロナウイルス対策として「食器・手すり・ドアノブなど身近な物の消毒には、アルコールよりも、熱水や塩素系漂白剤、及び一部の洗剤が有効です。」と案内しております。 |
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ただし、次のことに注意が必要です。
①塩素系漂白剤は濃度が下がりやすい!
塩素系漂白剤に含まれている次亜塩素酸ナトリウムは一般的にゆっくりと分解し、濃度が低下していきます。
そのため上記のとおり薄めても0.05%を下回ってしまうこともあります。
また、薄めた消毒液は毎回作り直すことも重要です。 |
②薄めるときや使用するときの注意点!
・家事用手袋を着用してください。
・金属は腐食することがあります。
・必ず換気をしてください。
・他の薬品と混ぜないでください。
そのほか、塩素系漂白剤の注意事項をよくご確認ください。 |
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濃度確認が可能な測定器のご案内
独立行政法人 製品評価技術基盤機構(NITE)は、一定濃度以上の「次亜塩素酸水」が新型コロナウイルスに有効と発表しました。(詳しくはコチラ)
以下の測定器は「次亜塩素酸ナトリウム溶液」のほか「次亜塩素酸水」の濃度測定にもお使いいただけます。
①簡易水質検査キット シンプルパック® 残留塩素100【ClO100】
測定範囲:5~100mg/L(6段階:5 / 10 / 20 / 30 / 50 / 100)
②簡易水質検査キット シンプルパック® 残留塩素300【ClO300】
測定範囲:50~300mg/L(5段階:50 / 100 / 150 / 200 / 300) |
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パックに試薬が封入されており、パックに検水を吸い込むことで試薬と検水が反応して発色します。
残留塩素濃度に応じて色が変化しますので、付属のカラーチャートと見比べて濃度を判定します。 |
※次亜塩素酸濃度 300mg/L 以上の塩素系漂白剤は薄めてから測定しないと、発色が消えてしまいますので、下記「補足:濃度測定について」をご参照の上、希釈してからご使用ください。 |
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③ハンディ水質計 アクアブ AQ-202型
④有効塩素濃度測定キット AQ-202P型
測定範囲:0~300mg/L
デジタル表示の測定器です。
残留塩素と反応する専用試薬を入れた検水を測定し、濃度を確認します。
AQ-202は試料セルがガラス製、AQ-202Pは試料セルがPET製となっています。 |
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※次亜塩素酸濃度 300mg/L 以上の塩素系漂白剤は薄めてから測定しないと、発色が消えてしまいますので、下記「補足:濃度測定について」をご参照の上、希釈してからご使用ください。 |
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当社の簡易測定キットをご使用いただく際の注意点
・今回ご紹介しました簡易測定キットは全て、総残留塩素(有効塩素)を測定しております。
(遊離残留塩素のみの測定は行えません。)
消毒液の成分が「次亜塩素酸ナトリウム」「次亜塩素酸」「次亜塩素酸イオン」の場合、測定を行えます。
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・測りたい濃度を予め決め、使用したい測定キットの濃度範囲をご確認の上、ご使用ください。
300ppm以上の溶液の濃度測定を行いたい場合には、希釈してから測定してください(以下の補足を参照してください)。 |
・検水温度は20℃前後でご使用ください。
検水温度が低いと、数値が低めに出ることがあります。 |
・検水のpHにつきまして、pH3~11のものをご使用ください。
pH3未満の弱酸性電解水、強酸性電解水の測定を行う際にはご注意ください。 |
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補足:濃度測定について
濃度0.05%(500ppm)の消毒液の濃度測定をする際には、濃度確認用の溶液を作ります。
①0.05%(500mg/L)になるように薄めた塩素系漂白剤から一定量をとり、同量の水で薄め、約250mg/Lの溶液をつくります。
*約250mg/L溶液の作り方の例
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②約250mg/Lの溶液を測定し、測定結果が250mg/L前後になっていることが確認できれば、濃度確認は完了です。 |
※塩素系漂白剤を使用する際は、商品パッケージなどの注意事項をよく読み、十分注意してお使いください。 |