水質・食品衛生
ハンディ水質計 アクアブ AQ-202
●コンパクトなうえ取り扱いが簡単ですので、測定現場での使用に適しています。
●このクラスでは大型で見やすいオリジナル液晶ディスプレイを採用し、情報を過不足なく表示できるようデザインしました。
●測定値を99個まで保存できるメモリ機能を備えています。
●自動的に電源をきるオートオフ機能を備えています。
仕様
品目コード | 080560-202 | |
---|---|---|
型式 | AQ-202 残留塩素高濃度 | |
測定原理 | ヨウ素試薬による吸光光度法 | |
測定範囲 | 0~300mg/L | |
光源 | LED | |
分解能 | 1mg/L / ±1mg/L | |
測定項目 | 残留塩素(高濃度) | |
測定方式 | 透過吸収測定 | |
測定波長 | 511±2nm | |
測定セル | φ24mmキャップ付きバイアルびん | |
表示形式 | デジタル数値 | |
データ記録 | 99点 | |
検水量 | 10mL | |
自動電源OFF | キー操作終了120秒後自動電源OFF(手動も可) | |
受光部 | フォトダイオード | |
測定時間 | ゼロ点認識・濃度測定ともに約2秒 | |
電源 | アルカリ乾電池 単4×4本 | |
寸法・質量 | 70(W)×142(D)×63(H)mm ・ 約250g | |
付属品 | 粉体試薬25包 試料セル2本 単4アルカリ乾電池4本 キャリングケース クイックマニュアル | |
価格(税別) | 55,000円 | |
備考 | ※ハンディ水質計“アクアブ”シリーズは、操作が簡単な水質測定器です。濃度換算曲線があらかじめプログラムされていますので、検水を用いたゼロ点調整のみですぐに測定できます。また、ユーザー校正モードにすることで、2点校正も可能です。測定値を99点までメモリ(記憶)できます。 ※主な機能 ※メモリー機能 最大99ポイントまで測定値が自動で保存 メモリー確認モードにより測定値をその場で確認可能 ※自動および手動による電源OFF 自動電源OFFにより電源の切り忘れを防げるほか、手動による電源OFFも可能 |
オプション製品・スペアパーツ
動画
よくある質問
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Q.ハンディ水質計“AQUAB(アクアブ)シリーズ”
残留塩素とは?
水中に存在している遊離残留塩素と結合残留塩素のことをいいます。飲料水等を塩素消毒した後に残る消毒有効塩素成分で、主に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、クロラミンを指します。塩素イオンは残留塩素とは言いません。
遊離残留塩素とは?
遊離残留塩素は、即効性があって消毒効果が強いという特徴があります。主に次亜塩素酸、次亜塩素酸イオンを指します。消毒効果が高いので、水の検査ではまず遊離残留塩素濃度を測ります。SIBATAの残留塩素測定器DPD法では、測定器の角形試験管に10mLの水とDPD試薬1袋で測定ができます。
結合残留塩素とは?
結合残留塩素は遊離残留塩素より消毒能力は弱いですが、時間をかけてその効果が有効に得られるといわれています。遊離残留塩素が水中のアミン類と結合したもの(クロラミン)を結合残留塩素と呼びます。結合残留塩素はスーパーサブ的な存在で、水の検査ではまず遊離の濃度を測り、遊離が無い時に初めて結合残留塩素も測って状況判断する場合が多いです。
SIBATAの残留塩素測定器DPD法では、遊離残留塩素濃度を測定した後に別途ヨウ化カリウム試薬を入れて約2分で測定できます。
残留塩素の測定のDPD(N,N-ジエチルパラフェニレンジアミン)法とは?
水の残留塩素濃度の測定法で、経験や専門知識がなくても測定器をつかって濃度測定をすることができます。飲料水全般、プール水、河川水環境調査、排水検査、工程管理、電解水検査、殺菌用洗浄水検査、養魚管理、メッキ工場などの排水管理などに使用されています。残留塩素を含む水にDPD試薬を加えると、残留塩素の量に応じて淡赤紫色~赤紫色に発色する反応に基づくものです。
遊離残留塩素と結合残留塩素の区別が明確につくことが特徴です。
使用する試薬は、遊離残留塩素の測定ではDPD指示薬と緩衝液の2種類、結合残留塩素を測定する場合はさらにヨウ化カリウムを使用します。
当社の場合、DPD指示薬と緩衝液を混合した1種類の試薬で遊離残留塩素の測定が可能です。
残留塩素濃度の基準値は?
水道水中の残留塩素濃度は「給水栓における水が、遊離残留塩素を0.1mg/L(結合残留塩素の場合は0.4mg/L)以上保持すること」と定められています(水道法施行規則)。
各地域の水道局から供給されたばかりのきれいな水道水の場合、ほとんど遊離残留塩素の状態で存在しますが、水道配管の老朽化などで汚れが混入すると結合残留塩素に変化します。
したがいまして、まずは遊離残留塩素濃度を測定し、その結果が0.1mg/L以上であれば問題ありませんが、0.1mg/L未満の場合は結合残留塩素濃度を確認する必要があります。結合残留塩素を直接測定することはできないため、総残留塩素と遊離残留塩素の測定結果から下記のように計算して求めます。結合残留塩素=総残留塩素-遊離残留塩素
測定結果がおかしくなった。画面に『CAL』の文字が出ている。
ユーザー校正モードになってしまっています。ユーザー校正モードから離脱してください。
AQ-シリーズは、お客様側で独自に感度校正を行えるユーザー校正機能を持っています。このユーザー校正モードに入りますと画面に『CAL』の文字が現れますが、ユーザー校正モードに入った状態で校正操作を行わずに終えてしまうと、正確な測定結果を得られなくなります。ユーザー校正モードから離脱して『CAL』表示を消しますと、当社工場出荷時の校正状態に戻りますので、通常通りの測定結果が出る状態に戻ります。ユーザー校正モードからの離脱方法は取扱説明書に記述されていますので、測定結果がおかしく画面に『CAL』が表示されている場合は、取扱説明書に沿ってユーザー校正モードから離脱してください。
残留塩素用の測定器としてAQ-201型とAQ-201P、AQ-202型とAQ-202P型があるが、何が異なるのか?
残留塩素の低濃度用(AQ-201/AQ-201P)と高濃度用(AQ-202/AQ-202P)を区別しており、試料セルの材質の違いを含め4種類の型式があります。AQ-201型とAQ-202型はガラス製セルを使用し、AQ-201P型とAQ-202P型はPET製セルを使用しています。セルの材質の違いに伴いまして測定器本体内部に記憶させている検量線も実際は異なっています。お客様にお使いいただく際は、内部の検量線の違いは違いとして表面に現れてきませんので、試料セルの材質の違いだけとお考えいただいてさしつかえはありません。
ただ、検量線が異なりますのでAQ-202型にはPET製セルは使えませんし、AQ-202P型にはガラス製セルは使えません。AQ-201、AQ-202はガラス製セル、姉妹品の有効塩素濃度測定キットAQ-202P型だけはPET製セルとご理解ください。
PET製セルのAQ-202P型は、ガラスを持ち込めない食品製造現場用として販売しているAQ-シリーズの高濃度残留塩素用測定器です。
型式 測定対象 セルの種類 AQ-201 残留塩素(DPD) ガラス AQ-202 残留塩素高濃度 ガラス AQ-201P 残留塩素(DPD) PET AQ-202P 残留塩素高濃度 PET
ユーザー校正モードはどのようなモードか?注意点は?
ユーザー校正モードとは、ユーザー独自に2点校正を行う機能です。
アクアブは工場出荷時にあらかじめ濃度換算式がプログラムされています。通常はそのまま使用できますが、ユーザーご自身の設定で測定をおこないたい場合は、このモードで設定をおこないます。
ここでは、2点校正による濃度換算式の設定ができます。※ユーザー校正モード使用時の注意点
このモードではあらかじめ残留塩素濃度を確認した検水(通常は薬品として販売されている次亜塩素酸ナトリウムをアクアブの測定範囲まで純水で希釈したもの)を準備する必要があります。
当社では標準液を販売しておりません。
濃度の確認については、衛生試験法(日本薬学会)や上水試験方法(日本水道協会)などの公定法に沿って実施してください(公定法の詳細は各試験法の書籍をご確認ください)。
なお、残留塩素濃度の確認には、ガラス器具やガラス体積計(ホールピペット、メスフラスコ他)などの実験器具や薬品、測定操作を行うための実験設備などが必要になりますが、当社ではメーカー校正を行っておりますので、是非ともご利用いただきたくよろしくお願い申し上げます。
関連情報
- カタログ
- 取扱説明書